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赤ちゃんのよだれかぶれ対策!アレルギーとの見分け方や予防ケアを解説

赤ちゃんのよだれかぶれ対策!アレルギーとの見分け方や予防ケアを解説

離乳食がはじまる頃の赤ちゃんによくみられる「よだれかぶれ」。この時期はよだれが増えて、炎症を起こしやすいので注意が必要です。
そこで今回は、よだれかぶれの症状やアレルギーとの見分け方、予防方法について紹介します。

よだれかぶれは赤ちゃんにみられる代表的なかぶれ

よだれかぶれは赤ちゃんにみられる代表的なかぶれ

よだれぶれとは、赤ちゃんの特に乳児期によくみられる「接触性皮膚炎」の一種です。

よだれには、たんぱく質を分解する消化酵素「アミラーゼ」が含まれています。この酵素を含む唾液が肌に触れることで、炎症が起きてかぶれている状態が「よだれかぶれ」です。
症状は皮膚が赤くなり、かゆみを伴います。ひどい場合は、皮がむけてただれたりブツブツや水疱ができることもあります。

また、かぶれの原因となる物質に触れた部分だけに症状が出るのが特徴。よだれかぶれは口の周りや頬にみられることが多いですが、指しゃぶりをしている手指や首によだれが付着するとその部位にもできることがあります。

よだれが多くなる生後5ヶ月以降は注意

よだれが多くなる生後5ヶ月以降は注意

赤ちゃんのよだれは、離乳食がはじまる生後5ヶ月頃から多くなります。この頃は、赤ちゃんがまだ唾液を上手に飲み込めなかったりするので、口からよだれがでやすい時期。

そのため、よだれかぶれを起こしやすくなるのです。一般的に、1~3歳くらいになると、よだれの量が少なくなり、よだれかぶれが起きにくくなります。

アレルギーの可能性も?

かぶれには、アレルギーが関わっている場合とそうでない場合がありますが、赤ちゃんや子どもに多いのは非アレルギー性のかぶれ。特に多いのは、よだれや汗、おしっこ、果汁などの刺激によるものです。

ただし、よだれかぶれの状態が続くと、食べこぼしや卵・牛乳などのアレルゲンが触れることで食物アレルギー発症のリスクにつながるといわれています。

赤ちゃんの皮膚はかぶれやすい

赤ちゃんの皮膚はかぶれやすい

よだれが増える時期の赤ちゃんは皮脂の分泌量が少なく、肌が乾燥しやすいのが特徴です。もちもちして理想の肌ように見える赤ちゃんの肌ですが、肌を守るバリア機能が未熟で肌トラブルを起こしがち。

皮膚は大人の半分ほどの厚さしかなく、外部からの刺激に敏感なので、よだれや食べこぼし、汗などがついたままだとすぐに炎症を起こしてしまいます。そのため、正しいスキンケアで肌の乾燥を防ぎ、うるおいとバリア機能をキープすることが大切なのです。

よだれかぶれと食物アレルギーの見分け方は?

よだれかぶれと食物アレルギーの見分け方は?

よだれかぶれと食物アレルギーには症状の似た部分があるため、見分けがつきにくいことがあります。よく観察して症状がある場合は医師に相談しましょう。

かぶれ・発疹がでるタイミング

よだれかぶれは症状が徐々に現れるのに対して、食物アレルギーの場合は症状が早くでることが多く、食事の最中または食後約30分以内に赤みやじんましんなどの症状がでてきます。じんましんは食物アレルギーの初期症状として見られることがあり、発疹の大小はいろいろで、赤く全体的に盛り上がっています。
また、全身にも発疹がでている場合はアレルギーの可能性が高いです。

食物アレルギーの可能性がある場合は、病院を受診して適切な治療薬を処方してもらう必要があります。「疑わしいな」と思ったら、何を食べたときにどのくらいの時間でどんな反応がでたか、よく観察しメモしておきましょう。
スマホで経過のわかるような写真を撮っておくと、医師に赤ちゃんの症状をより正しく伝えられるのでおすすめです。

よだれかぶれを防ぐ!赤ちゃんの口まわりのケア

よだれかぶれを防ぐ!赤ちゃんの口まわりのケア

よだれかぶれを防ぐポイントは、かぶれの原因となるよだれや食べこぼしなどを放置しないこと。赤ちゃんが自分でよだれを飲み込めるようになるまでは特に注意してこまめにケアを続けてあげましょう。

食事前にはワセリンで保護

よだれかぶれの予防として、離乳食を食べる前には口の周りにワセリンを塗っておくのがおすすめ。ワセリンが保護膜となって、皮膚への刺激を防いでくれるので、よだれかぶれが起こりにくくなります。

よだれや食後の汚れケア

赤ちゃんのよだれでスタイが濡れて、胸に湿疹や口の周りによだれかぶれを起こす場合も。
授乳や離乳食の後は、ぬるま湯で洗い流すか、ぬるま湯で濡らしたタオルで汚れを拭き取りましょう。ゴシゴシと擦ると刺激になるので、優しく押し拭きします。

拭いたり洗ったりした後は肌が乾燥しやすいので、保湿ケアも忘れずに。汚れを拭くと皮脂や保湿剤なども一緒に落ちてしまうので、拭くたびに塗り直すようにしましょう。
口の周りは乾燥しやすいので、保湿剤はフェイスクリームなど油分の多いクリームタイプがおすすめです。

\重ね塗りで集中ケア/

乾燥しやすい冬は、保湿ケアをいつもより念入りに。ローションを塗った後に、クリームやワセリンなどを重ね付けすると保湿効果がアップします。頬や口まわりなどの乾燥が気になるところに点置きし、やさしく滑らせるように広げて。

汚れたスタイはこまめに取り換える

汚やすいスタイ(よだれかけ)やガーゼは、いつも清潔を保つように心がけましょう。湿ったままの状態にしておくとかぶれの原因にもなるので、こまめに交換してください。

毎日のスキンケアで赤ちゃんの肌を清潔に保つ

肌トラブルから赤ちゃんを守るためには、毎日のスキンケアが欠かせません。1日に1回お風呂のときは低刺激なベビー専用のソープを使って全身を洗いましょう。

赤ちゃんの顔を洗うときは、たっぷりの泡でTゾーンを中心に、口の周り、頬、顔全体をやさしく丁寧に洗っていきます。すすぎ残しを防ぐためにもしっかり泡立てるのがコツ。
お風呂上りは肌が乾燥しやすいので入浴後5~10分以内を目安に、早めの保湿ケアを。

\ベビーソープはフォームタイプが便利/

赤ちゃんを抱えながらベビーソープを泡立てるのは大変ですよね。ベビーソープ選びは、プッシュしたら泡の状態で出てくる“フォームタイプ”がおすすめです。片手が塞がっている状態でも簡単に洗えるので便利。

赤ちゃんのよだれかぶれがひどい場合は病院へ

赤ちゃんのよだれかぶれがひどい場合は病院へ

よだれかぶれができたときは、よだれを優しく拭いたり洗うことで皮膚を清潔にし、ワセリンなどの保湿剤を塗ってケアします。ただし、赤みやかゆみが引かない、口の周りが荒れていて湿疹ができているような場合は、小児科や皮膚科を受診しましょう。

特に、以下の場合は速やかに受診することをおすすめします。

  • かゆみが強い
  • 膿をもっている
  • 炎症の範囲が広がっている

また、体や手足にも広がってきた、湿疹が左右対称にみられる、かゆみを伴う症状が2ヶ月以上続くなどの場合はアトピー性皮膚炎の可能性もあります。早めに病院を受診して適切な治療を受けましょう。

処方薬はステロイド入りの塗り薬が一般的

症状がひどいときは「ロコイド軟膏」「キンダベート軟膏」など、炎症を抑えるステロイド入りの塗り薬を処方されることがあります。その他にも、白色ワセリンからさらに不純物を取り除いた「プロペト」などもあります。

ステロイドと聞くと副作用を心配するママも少なくないかもしれませんが、医師の指示に従って適切に使用すれば問題ありません。用法・用量を守って正しくケアを続けていれば数日でよくなることがほとんどです。

また、自己判断による市販薬の使用は避け、できるだけ病院で症状や肌の状態に合わせた塗り薬を処方してもらいましょう。

よだれかぶれの気になるQ&A

Q. 赤ちゃんがよだれかぶれになったら皮膚科と小児科どっちに行くべき?

基本的に、小児科または小児皮膚科を受診して相談するとよいでしょう。
受診する際は、「いつ頃から症状が出たのか」「症状の経過について」「どのようなケアを自宅で行ったか」などあらかじめメモしておき、医師へお伝えすると診断しやすくなるでしょう。

Q. 赤ちゃんのよだれが多くて心配…

赤ちゃんの唾液が増えるのは消化機能が整ってきた合図。よだれが多くても病気ではありませんので、心配し過ぎないようにしてくださいね。ただし、のどが痛かったり、口内炎ができてうまく飲み込めないときはよだれが多くなるので、赤ちゃんが痛がって食欲が落ちているなどの場合はかかりつけ医に相談しましょう。

赤ちゃんのよだれかぶれは日頃のケアが大切!

赤ちゃんのよだれかぶれは日頃のケアが大切!

赤ちゃんのよだれかぶれは成長とともに改善されることが多いですが、赤ちゃんが快適に過ごせるようにできる限り予防してあげたいですね。

よだれかぶれを防ぐためには、よだれはすぐにやさしく拭き取り、ワセリンなどで肌を保護して汚れがつかないようにすることが重要。また、ベビーソープで丁寧に汚れを落として1日2回の保湿を基本とし、毎日のスキンケアで肌のバリア機能をキープしておくことも大切です。
赤みやかゆみが引かないなどの場合は、早めに病院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。