赤ちゃんの頭皮の乾燥を防ぐ頭皮ケア!うろこ・フケの原因も解説
「赤ちゃんの頭皮が乾燥してフケのようなものがある」「うろこ状のかさぶたができた」。このような赤ちゃんの頭皮トラブルは決して珍しいことではありません。この記事では、赤ちゃんに起こりがちな頭皮トラブルの症状や自宅でできる頭皮ケアについて、分かりやすく解説していくのでぜひ参考にしてください。
赤ちゃんは頭皮も乾燥しがち
肌の表面を覆っている皮脂は、外部からの有害物質を防ぎ、うるおいが逃げて乾燥しないように働いています。
生後2ヶ月頃までの赤ちゃんは、ママからもらったホルモンの影響で皮脂分泌が盛んですが、それ以降はホルモンの減少に伴って皮脂量は1/3まで減ってしまいます。そのため、水分を保っておくことができず、頭皮もカサカサに乾燥しやすくなります。
赤ちゃんの皮膚は薄く、バリア機能も未熟
もちもちで理想の肌に見えても、赤ちゃんの皮膚は大人比べてとても薄くできています。また、肌を守るバリア機能も未発達なため水分が逃げやすく、外部刺激に敏感で肌トラブルが起きやすい状態なのです。
紫外線も頭皮へのダメージとなり、乾燥の原因のひとつとなります。特に夏場、外出する際は紫外線対策をしっかりと行い頭皮の乾燥を防ぐことが大切です。
赤ちゃんの頭皮のフケ・うろこ状のかさぶたの原因は乾燥?皮脂?
生後間もない赤ちゃんは新陳代謝が活発で、白いポロポロとしたフケやうろこ状のかさぶたのようなものが見られることがあります。まずは、赤ちゃんのフケ・かさぶたの状態をチェックしてみましょう。
皮脂量が減少し乾燥でカサカサしている
生後2~3ヶ月経つと、皮脂量は急激に減ってカサつきやすい状態になります。頭皮が乾燥すると角質がはがれやすくなり、白い粉をふいたようになります。さらに、皮膚の乾燥が進むと、かゆみを伴う場合も。
また乾燥することにより、皮膚のバリア機能が低下して皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)が発症しやすくなります。皮膚にアレルゲンが侵入しやすくなり、気づかないうちにアレルギー体質になってしまうケースもみられます。
治療は病院で処方されるヘパリン類似物質のような保湿効果の高い塗り薬を使用しながら、自宅でのスキンケアを続けていくのが一般的です。
- ポロポロとしたカスが落ちる
- 髪や頭皮にベタつきはない
- 頭皮の臭いは気にならない
- 秋から冬にかけて症状が出ている
皮脂が多いと、ベタついて臭うことも
新生児~生後2ヶ月頃までは、皮脂量が多くベタつきやすい時期です。臭いがある場合は皮脂が酸化している状態と考えられるでしょう。
また、黄色いフケやベタベタしたうろこのようなかさぶたができている場合は、乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)の可能性もあります。乳児脂漏性湿疹は皮脂と汚れと混ざって固まり、かさぶたのようになって皮膚にこびりつくのが特徴。
国立成育医療センターの研究によると、乳児脂漏性湿疹は乳児の約3分の1がなるといわれています(※1)。個人差はありますが、生後3~4ヶ月頃になると自然と治まることが多いです。ただし、かゆがる場合は掻きこわすこともあるため、小児科または皮膚科への受診をおすすめします。
- 黄色いかたまりが皮膚にこびりついている
- おでこやまゆ毛の辺りにも同じような症状がある
- 頭がベタベタしている
- 頭皮が臭う
- 新生児期に症状が出ている
※1 参考文献: 国立成育医療研究センター|世界初・乳児脂漏性皮膚炎の発症と、出生時の角層脂質や初乳成分との関連が明らかに ~生後早期に角層脂質のバランス補整で、発症を抑制できる可能性を示唆~
乳児脂漏性湿疹による抜け毛はあまり気にしないで
また、乳児脂漏性湿疹にともなって抜け毛がおこる場合がありますが、乳児脂漏性湿疹が治ることで、脱毛も自然に改善していくでしょう。
髪の毛が抜けてからどのくらいで新しい髪の毛が生えてくるかは、赤ちゃんによって個人差があります。成長とともに髪の毛の量や質はどんどん変わっていくので、しばらくは様子を見てあげるとよいでしょう。どうしても心配な場合はかかりつけ医に相談してください。
乾燥を防ぐ!赤ちゃんの頭皮ケア
赤ちゃんは新陳代謝が活発で、頭皮や生え際は皮脂を分泌する器官である皮脂腺も多いため特に汚れやすい箇所。脂漏性湿疹をはじめ、さまざまなトラブルが起こりやすいので丁寧なスキンケアが欠かせません。正しい頭皮ケアで乾燥や頭皮トラブルを防ぎましょう。
赤ちゃんの頭皮の洗い方
沐浴は慣れるまでハラハラするものですが、慌てないで大丈夫。お湯の温度は高すぎると皮脂が流れて肌が乾燥しやすくなるため、38度ぐらいを目安にしてください。
ポイント1. 頭をぬらしてたっぷりの泡で洗う
低刺激なベビー専用のソープを使って、たっぷりの泡を「転がすように」洗います。ガーゼではなく指の腹を使い、忘れがちな後頭部や耳の裏側も丁寧に洗いましょう。
また、赤ちゃんの頭皮はデリケートなためゴシゴシ洗うのは避けやさしく洗うのがポイント。
すすぎ残しを防ぐためにも、ベビーソープはしっかり泡立ててください。プッシュしたら泡の状態で出てくるフォームタイプなら、赤ちゃんを抱えながらでも簡単に洗えますよ。
\「大泉門(だいせんもん)」も怖がりすぎず、丁寧に洗って/
低月齢の頃は、大泉門(だいせんもん)と呼ばれる、赤ちゃんの頭部の前面にある頭蓋骨のつぎ目の部分がまだ閉じていません。触るとペコペコしていてやわらかいので、洗うのが怖いと感じるママやパパもいらっしゃいます。ですが、神経質になり過ぎず、指の腹を使ってやさしく洗うとよいでしょう。しっかり洗わないと頭皮トラブルの原因となるので、丁寧に洗うことが大切です。
ポイント2. しっかり洗い流す
洗い流すときは、やさしい水圧のシャワーでOK。赤ちゃんの頭を少し持ち上げ、きれいに泡を流してください。すすぎが不十分だと、石けん成分が肌に残り、かゆみや皮膚トラブルの原因になってしまうことも。後頭部や耳のまわりなどはすすぎ残しも多いので、ヌルヌルしていないかチェックしてあげましょう。
明確な決まりはないので、赤ちゃんの髪質や肌の様子を見ながら切り替えましょう。1歳前後の髪の毛が増えたり、伸びてきたタイミングで切り替えるママ・パパも多いようです。
その前の時期でも、ニオイやベタつきが気になったときは、髪の毛用のベビーヘアシャンプーを使うのがおすすめです。
ポイント3. 入浴後の髪の毛はタオルドライ
髪の毛を濡れたままにしておくと、雑菌が繁殖しやすい状態になります。頭皮トラブルを避けるために、髪の毛の自然乾燥は避け、やさしくタオルドライしましょう。赤ちゃんの髪の毛がまだ少ない場合は、基本的にタオルドライのみで大丈夫。
毛量が増えてタオルドライだけでは乾ききらない場合は、温度に気をつけながらドライヤーも使って乾かすのがおすすめです。毛量が少なく髪も短い場合は、できるだけ低温・弱風モードのドライヤーでよく乾かしましょう。
赤ちゃんの頭皮の保湿ケア
頭皮が乾燥しているようであれば、ベビーソープなどで洗った後に保湿剤を塗りましょう。お風呂上りは急激に肌が乾燥するので、5~10分以内を目安にできるだけ早めに保湿してあげてください。
また保湿は乾燥する冬だけでなく、季節問わずケアしましょう。夏場もエアコンの風などで乾燥しやすいため保湿が欠かせません。
ポイント1. 髪の毛をかき分ける
地肌が見えるように髪の毛をかき分けます。赤ちゃんをねんねさせると姿勢が安定して、保湿剤が塗りやすくなるのでおすすめです。
ポイント2. 指先でなじませる
指先にとった保湿剤を髪の毛の流れに沿うように地肌になじませます。頭皮は一度に塗ろうとせず、少しずつ塗るのがポイント。
頭皮の保湿ケアに使う保湿剤は、顔や体に使っている保湿剤と同じもので大丈夫。手早く伸ばせてほどよく油分も含んだローションタイプがおすすめです。それでも乾燥が気になる場合は、ローションに加えてクリームやワセリンなどを薄く塗って合わせ使いしても〇。
また、保湿剤は低刺激なベビー専用のものを選ぶようにしましょう。エタノール、香料、着色料、パラベン、石油系界面活性剤などの成分が入っていないかも注目してみるといいですね。
脂漏性湿疹によるかさぶたのケア
脂漏性湿疹などでみられる、かさぶた状の皮脂の塊は、無理にはがそうとすると頭皮を傷めたり髪の毛が抜けてしまったりします。次のような方法でケアしてあげましょう。
入浴前にベビーオイルやオリーブオイル、もしくはワセリンをかさぶたの部分に塗って30分ほどおき、ふやけてやわらかくなってから石けんでやさしく洗います。この方法で、かさぶたは比較的とれやすくはなりますが、爪を立てて無理にはがすのはNG。
かさぶた状になった皮脂は、毎日続けてケアをしていくことで少しずつとれていくもの。一度で全部取りきるのではなく、根気よくケアしていくことが大切です。ガッチリと固まったひどいかさぶたの場合は、かかりつけの病院で相談しましょう。
ココも気をつけたい!赤ちゃんの頭皮の乾燥対策
保湿によるスキンケア以外にも、赤ちゃんの頭皮乾燥を防ぐ対策はあります!以下のポイントに注意してみてください。
帽子や日傘などで紫外線対策
紫外線は頭皮の乾燥が進む原因となることも。ベビーカーや抱っこで外を歩くときには、赤ちゃんに直射日光が当たらないようにしましょう。赤ちゃんに帽子をかぶせ、ベビーカーなら日よけで日差しをカット。抱っこなら、ママは日傘をさして紫外線対策を。
室内の湿度管理
特に湿度が低い秋~冬の寒い時期は肌が乾燥しやすいため、室内の湿度に注意しましょう。一般的に、赤ちゃんが過ごしやすい湿度は50~60%といわれています。加湿器などを上手に使って適切な湿度を保つようにしましょう。ただし、カビの原因となる結露には気をつけて。こまめに換気をして空気を入れかえるようにしてください。
赤ちゃんの頭皮にトラブルがあるときは受診を
赤くなってブツブツしていたり、ジクジクしているなどの湿疹がある場合は、かかりつけの皮膚科か小児科を受診しましょう。炎症剤などの塗り薬を処方された際は、医師の指示に従って対処しましょう。あせてローションなどの保湿剤を使う場合も、医師に相談したうえで使用すると安心です。
また、同じような症状を繰り返したり、なかなか改善がみられない場合はアトピー性皮膚炎など別の病気の可能性もあります。早めに医師の診断を受けましょう。
頭皮にかゆみがある場合は掻きこわし対策を
頭皮が乾燥しているとかゆみを生じることがあります。赤ちゃんが皮膚を搔きこわして悪化させないよう、爪はいつも短く切っておきましょう。赤ちゃんがかゆみ症状を我慢できずに搔きむしってしまう場合は、ミトンをつけて保護するのもひとつですが、早めの受診をおすすめします。
育児も楽に!乾燥を防いで健やかな頭皮へ
赤ちゃんの頭皮が乾燥したままだと、かゆみやさまざまな肌トラブルの原因になります。赤ちゃんも不快に感じてぐずったり、なかなか寝てくれないなんてことも。赤ちゃんが快適に過ごせるということは、ママ・パパの育児負担の軽減にもつながります。毎日のスキンケアでは「清潔」と「保湿」を心がけ、肌トラブル知らずの健やかな肌を目指しましょう!