赤ちゃんのほっぺが赤いのは「乾燥」が原因?カサカサを防ぐスキンケア方法
寒い季節になると、ほっぺが赤くなっている赤ちゃんは珍しくありません。しかし、「これって何かの病気?ケアはどうすれば?」と心配になるママ・パパも少なくないのでは?そこで今回は、赤ちゃんのほっぺが赤くなる原因や対策、乾燥を防ぐ毎日のスキンケア方法について紹介します。
赤ちゃんの皮膚は薄く、バリア機能も未熟
スベスベとして理想の肌のようにみえる赤ちゃんの肌。しかし、赤ちゃんの肌は乾燥しやすく肌トラブルを起こしがち。表皮の厚さは大人の約半分ほどしかありません。また、肌を守るバリア機能が未発達なため、外部の刺激に弱く、うるおいも逃げやすいのが特徴です。
そのため、外気の乾燥により肌がカサカサしたり、赤み・ブツブツができやすく、乳児湿疹などの肌トラブルが起きやすい状態なのです。
赤ちゃんのほっぺが赤くなる主な原因
赤ちゃんのほっぺが赤くなる原因はいくつかありますが、まずは熱がない場合に考えられる主な原因は以下の2つが挙げられます。
肌がカサカサ!乾燥による頬の赤み
生まれたばかりの赤ちゃんはママからのホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んになりますが、生後2~3ヶ月を過ぎると、皮脂量は急激に減って肌がカサカサの状態に。乾燥が進むと、皮膚が炎症を起こして赤みがでたり、かゆみを伴う場合もあります。
顔は常に露出して外気にさらされている部分なので、乾燥しやすく赤みも目立ちやすいです。ひどいトラブルになる前に、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
一時的に赤くなる!寒暖差による頬の赤み
赤ちゃんのほっぺが赤くなるもうひとつの原因は、気温の寒暖差によるものです。
例えば、外の冷たい空気に触れた後、暖房の効いた室内に入ると、顔が一時的に赤くなることがあります。これは、体温を逃がさないように収縮した毛細血管が、暖かい部屋に入ったことで熱を逃がそうと拡張するためです。この拡張した毛細血管が薄い皮膚から透けて赤く見えているのです。
寒暖差による赤みは一時的なもので、正常なからだの反応ですので心配し過ぎる必要はありません。ただし、皮膚が急に温められてかゆみが生じることがあるので、赤ちゃんが掻きむしって肌を傷つけないように注意しましょう。
赤ちゃんのほっぺが赤いときに気をつけたいトラブル
赤ちゃんのほっぺが赤くなる場合、乾燥や寒暖差が原因であることが多いですが、場合によっては病気が関係していることもあります。以下のような病気に注意しましょう。
風邪による発熱
風邪をひいた赤ちゃんは、からだ全体が熱をもち、顔や頬が赤くなることがあります。まずは、赤ちゃんの体温を測って熱があるかを確認してください。
一般的に赤ちゃんの発熱は37.5度以上とされていますが、38度を超えたら注意が必要です。生後3ヶ月未満の赤ちゃんであれば、すぐに医療機関を受診してください。赤ちゃんがぐったりしている、ミルクや離乳食を受け付けないなど、いつもと違う様子がみられた場合も小児科を受診しましょう。
伝染性紅斑(りんご病)
伝染性紅斑は、「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスによる感染症の一種です。幼児に多くみられ、大人にもしばしば感染することがあります。両側の頬が赤くなることから「りんご病(りんごほっぺ病)」とも呼ばれています。
風邪のような初期症状(微熱や咳など)があり、その後に頬や腕、太ももなどに赤い発疹がみられ、ほてりやかゆみを伴う場合もあります。特徴的な
ただし、妊娠中のママで特に妊娠前半期に感染した場合は、まれに胎児が胎児水腫という病気になったり、流産などの恐れがあるため注意が必要です(※1)。
※1 参考文献: NIID国立感染症研究所|伝染性紅斑とは(国立感染症研究所ホームページ)
ほっぺの赤み対策!赤ちゃんの基本のスキンケア
赤ちゃんの肌を守るためには、日々のスキンケアが欠かせません。特に赤ちゃんの頬は外部刺激を受けやすいため、正しい保湿とお風呂のケアが大切です。
赤ちゃんの肌を清潔に保つポイント
ベビーソープできれいに洗い流す
赤ちゃんは大人よりも汗っかきなため、1日に1回お風呂の際は低刺激なベビー専用のソープを使って、全身やさしく丁寧に洗いましょう。指の腹を使い、たっぷりの泡を「転がすように」洗うのがコツ。赤ちゃんの顔を洗うときは、汚れがたまりやすいTゾーンを中心に、頬、口の周り、顔全体を洗っていきます。
すすぎ残しを防ぐためにも、ベビーソープはしっかり泡立てて。フォームタイプはプッシュしたら泡の状態で出てくるので、片手が塞がった状態でも簡単に洗えておすすめです。
赤ちゃんの肌が汚れたときは放置しない
よだれや涙、食べこぼしなどの汚れは、刺激となって肌荒れの原因となることも。汚れたら放置せず、濡らしたガーゼや手口拭きシートなどできれいにしてあげましょう。清潔にした後は保湿ケアも忘れずに。
赤ちゃんの毎日の保湿ケア
朝起きたときと入浴後は、全身に保湿剤を塗ってあげましょう。特にお風呂上りは肌が乾燥するので、入浴後5~10分以内を目安にできるだけ早めに保湿ケアを。乾燥しやすい秋冬の時期は、お出かけ前にも塗ってあげると◎
保湿剤はエタノール、パラベン、合成着色料、合成香料などの成分が入っていない、ベビー専用の低刺激な保湿剤を選ぶようにしましょう。水分が多いローションタイプなら、首のシワや指の間などの細かい部分にも塗り広げやすく、毎日のケアに最適です。
ほっぺなどの乾燥しがちなパーツは重ね塗りで集中ケア!
カサカサになりやすい頬や口まわりは、ローションを塗った後に、クリームやオイル、ワセリンなどを重ね付けするのがおすすめ。気になるところに点置きし、塗りこむのではなく、すべらせるように広げて。
ココも気をつけたい!赤ちゃんのほっぺの赤み対策
スキンケア以外でも、日常生活で気を付けるべきポイントを紹介するので、あわせてチェックしてみましょう。
赤ちゃんが触れる寝具や衣類は清潔で優しいものを
よだれや吐き戻したミルクなど、何かと汚れやすい寝具や衣類は常に清潔にしておきましょう。寝具が汚れていると肌トラブルだけでなく、ダニやホコリなどのアレルゲンが入り込みアレルギーを引き起こすことも。
また、肌への負担が少ない素材選びも大切です。肌触りがよく汗を吸水しやすい、綿素材がおすすめ。赤ちゃんだけでなくママやパパの衣類も、抱っこすると赤ちゃんの顔に触れるため、肌への刺激が少ない素材を選ぶようにしましょう。
爪切りも忘れずに
皮膚が乾燥しているとかゆみを生じることがあります。赤ちゃんがほっぺを掻いてしまうと、皮膚を傷つけ炎症を起こすことも。掻きこわしを予防するためにも、爪はこまめに切って短い状態を保つようにしましょう。
室内の湿度管理を
湿度が低い秋冬は空気が乾燥しやすいため、室内の湿度管理にも注意。加湿器などを上手に使って、室内の湿度を50~60%に保つようにしましょう。肌の乾燥を防ぐだけでなく、風邪の予防としても効果的です。
赤ちゃんのほっぺが片方だけ赤くなるのはなぜ?その対策は?
赤ちゃんのほっぺの片方だけが赤くなる原因として、寝ている向きや抱っこの向きが関係している場合があります。例えば、横向きに寝ていた際によだれが垂れて肌がかぶれたり、抱っこしているときにママやパパの洋服にスリスリして片方だけが赤くなっている可能性も。しばらくしても赤みが引かず、炎症やかゆみ、腫れなどがみられる場合はかかりつけ医に相談しましょう。
赤ちゃんのほっぺが赤いときは乾燥のサイン!
赤ちゃんの肌は非常にデリケートです。特にカサカサになりやすい赤ちゃんのほっぺは、乾燥して赤くなりやすい部位。日頃のスキンケアで肌のバリア機能をサポートし、赤みや湿疹などの肌トラブルを未然に防いであげましょう。
ただし、同じような症状を繰り返したり、なかなか改善がみられない場合はアトピー性皮膚炎など別の病気の可能性もあります。早めに医師の診断を受け、状態を確認してもらってくださいね。